タスク管理の本質
僕自身がタスク管理を追求するようになって気づくことがありました。タスク管理は本質を見失うと、形骸化してしまい、「タスクを管理する」という業務が増えるだけで、タスク管理のメリットを感じない状況になってしまいます。
タスク管理をなぜ行うのか?それは、
- ミスを減らす
- ストレスを減らす
- 過剰な労働を回避する
というメリットを獲得するためだと思っています。
タスク管理は自分の生活を仕事を塗りつぶされないために必要なスキルだと考えています。ぜひ本質を理解し、タスク管理を行なっていただきたいと思います。
できるだけ「考える」ことをしない
個人的にはめちゃくちゃ重要だと考えています。
考えることをしない、といっても「ボサーっとする」ということではありません。
これは、考えなくできるものは、些細なことでも考えなくて良いようにする。という意味です。
例えば、「今日はあれを夕方までにやらなきゃ」とか「この前送った資料の返信どうなったかな」とか「あの案件、今どうなってたんだっけ」、「この次の工程ってなんだっけ」などなど、不意に頭を使って状況を把握するような思考です。
「これが終わったらあれしよう」などは、頭がキレて、仕事をバリバリやっている人の方が、もしかしたらよくしがちな思考かもしれません。考えればできるから、頭で処理することが当然だと思うのかもしれません。
この、頭を使って記憶に留めておいたり、物事を処理することというのは、相当な体力を使っていると僕は考えています。
ちょっとしたことだからと思って記憶に留めるのではなく、そのすべてタスク化します。「ここを見れば次のアクションがわかる」という習慣だけつけておけば、なにをするかを考える必要はなくなります。
そうすることで、今やっていることに100%の集中力を発揮することができます。今やっていることの合間に「このあと、あれとあれをやるの忘れないようにしなきゃ」と雑音が入ることで、「あー、今忙しいなー」という思考になります。
できるだけ、頭の中が「今やっていること」に集中できるよう心がけましょう。
管理職ほどタスク管理を重要視する
会社のように組織に所属している人の場合、個人のタスク管理だけでは改善できる幅に限界があるかもしれません。
個人のタスク管理がうまくいっていて、毎日のキャパシティが100%以内になるよう配分できているのに、上司や上長からキャパシティを超える業務が問答無用で差し込まれる。という場合、個人レベルではどうにも回避できません。
やはり管理職の方がどうタスク管理と向き合うかが、チームや会社の利益に繋がるポイントだと思います。
管理職の方がタスク管理に向き合うと、必ず避けたくなるようなことに直面します。
- 定時の中では管理下にある業務を消化しきれない
- 工数を把握し切れない
- 管理業務の負担が増える
などなど。
管理職の方が、みなさん喜んで過剰な労働を部下に強いている訳ではないと思います。そうしなければ、会社としての業務を遂行できない、という責任からだと思います。
ですが、軸足をどこに置くか考えることで、やるべきことは変わってくると思います。定時の中で業務を完遂できない状態が続く場合、業務フローや手法の改善に着手する必要があるかもしれません。
部下に無理を強いて継続する利益を捨てて、部下が幸せでいられる中でどう利益を作るか、が管理職に求められる手腕ではないでしょうか。
案件の炎上が一番の過剰労働の根源
クライアントからクレームが入って緊急対応。
社内のスケジュール管理が原因で十分な工期が確保できない。
予定された期日に納品されない。
こういった炎上案件の対応が、過剰労働を引き起こす大きな原因になります。炎上案件に時間や労力を割いてしまうと、また別の案件でボヤ騒ぎが起こり始める、など、負の連鎖になりかねません。一つ一つの案件で確実にタスク管理をしていくことで、炎上案件が無くなり、労働時間が減少し始めます。まずは、一つの案件から、しっかり管理していきましょう。
取引先も残業や休日出勤はしたくないはず
いつも遅い時間までやりとりをしている取引先の人も、喜んで残業しているでしょうか?だれでも仕事の時間は少ない方が良いと思っていますよね。
でもプロジェクトを完遂しなければいけない、納品しなければいけない、という各自の責任から必死に頑張っている結果、残業や休日出勤をせざるを得ない状況になっていることでしょう。
そこで、どこか一つの取引先が、完璧なタスク管理をし始めると、「あそこの会社は業務時間外には電話してこないな」「プロジェクトの進行に漏れがないな」となり、それが取引先の残業時間が減ることに繋がります。
それが次から次へのつながって、たくさんの人の残業や休日出勤が減っていき、本人の望むワークライフバランスが実現できると素晴らしいですよね。